横浜市立大学の学長を務める 石川 義弘さん 金沢区在勤 65歳
受けた恩を次世代へ
○…2028年に創立100周年を迎える横浜市立大学の第23代学長に昨年4月に就任。横浜から「世界を変革する『ゲームチェンジャー』となる人材を育てていきたい」と意気込む。地域に対しても「大学は高い壁の向こうにあるものではなく、まちの一部として溶け込み何か学びたいという時に気軽に来てもらえるような仕組みをつくっていきたい」。
○…磯子区森が丘で育ち、汐見台小・中学校を卒業。幼少期は野原や山で探検ごっこをしたり、秘密基地をつくって遊ぶ「どこにでもいる少年」だったという。横浜緑ケ丘高校へ進学、父の友人に勧められ、同大学の医学部を受験。「現役で滑り込めたのが運の尽き」と苦笑い。大学では卓球部に所属した。
○…食べるのが好きで、趣味は料理とB級グルメ。「実験と料理は似ている。決められた規則通りに手順を踏むと同じ結果が出る。つい分析したりデータをとってしまうのは研究者の性ですね」と微笑む。
○…市大在学中に医療が進むアメリカに留学。その中で循環器の医師として権威がある教授に出会う。1980年代前半、アジアからの留学生は珍しく差別もあった時代。ユダヤ人として苦労した恩師が毎月「困っていることはないか」と気にかけてくれたことに深い感銘を受けたという。
○…モットーは『ペイフォワード』。恩師に「この恩をどう返したらいいか」と尋ねたところ、「俺に返すな。次の人に恩を渡せ」と言われた教えを今でも守っている。「現実の枠にとらわれがち」な学生たちに「どうやって夢と希望を持たせられるか。市大出身で成功している人たちに大学で授業をしてもらうなど、自分たちの延長線上にこの人たちがいると感じてほしい」。
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