称名寺薪能実行委員会の実行委員長を務める 土橋 功次さん 金沢区長浜在住 64歳
皆で作る一夜限りの舞台
○…1998年から続く「称名寺薪能」。金沢区役所と共催で28回目を迎える。実行委員長として迎える4回目の公演。4月の開催に向け準備を進める。敷居が高い能や狂言を少しでも身近に感じてもらおうと出演者による事前講座や舞台前の解説など工夫を凝らす。「かがり火が焚かれた年に一夜限りの舞台。リピーターの方にあと何回見られるかしら、と言われるとぐっとくるものがある」
○…出身は横浜市中区。学生時代を通してバスケットボールや山登りなどアウトドアが好きで「恥ずかしながら能を知らなかった」と笑う。三菱重工業に入社し、横浜製作所に勤務時代の後輩が実行委員を務めており、60歳の定年のタイミングで「時間ができただろうから手伝ってみない」と声をかけられ、実行委員として関わるようになった。
○…「最初に薪能を見た時は室町時代にタイムスリップしたような感覚や雰囲気に感動した」。今では能トレと体力維持のために能教室に通うように。コロナ前はチケット発売と共に完売することもあった伝統行事。実行委員14人、地元金沢町などボランティア約50人が「手弁当」で行事をつくりあげる。
○…運営の課題は「収支」。能は櫻間右陣さん、狂言は野村萬斎さんをはじめ、「超一流の演者さんが毎年快く来てくれ、長く続いてきたイベントを支えてくれる地元の企業を地道に増やしていければ」。今年も地元の子どもたちや能教室に通う人たちによる連吟、当日見に来られない「横浜こどもホスピス」、横浜市大附属病院小児病棟に入院している子どもたちへの配信を行うなど普及にも力を入れる。「称名寺ならではの幻想的な舞台を多くの人に見てほしい」
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