昔懐かしい色水遊び 赤紫の実「ヨウシュヤマゴボウ」 日本自然保護協会自然観察指導員金子昇(富岡西在住)
ヨウシュヤマゴボウは「洋種山牛蒡」と表し、いわゆる「西洋のヤマゴボウ」のことです。ゴボウの名が付いていますが、野菜のゴボウ(キク科)の仲間ではなく、ヤマゴボウ科の有毒植物で、食用にはなりません。観光地で売っている土産物のヤマゴボウは、一般にモリアザミの根(野菜のゴボウの根を使うこともある)を利用しています。
別名「アメリカヤマゴボウ」。明治の初めに北米より移入してきた帰化植物で、英名は「インク・ベリー」(インクの代用の意)。学名は「植物性ラッカ」。ラッカとは、インド原産のラックカイガラムシをさし、このカイガラムシの体表から出る分泌物は、貴重な赤紫色の染料として使われています。
子どもの頃、この実を水に溶かしてきれいな色水を作って遊んだ経験がある方も多いと思います。私も子どもながら「なんてきれいな色だろうか」と感心したものでした。実も茎も赤いヨウシュヤマゴボウは、秋になると葉も美しく紅葉します。この根を乾燥して利尿剤や吐しゃ剤、リュウマチ、寄生虫駆除等の薬用に利用されています。
ヨウシュヤマゴボウは、夏から秋にかけて金沢区内の山林で普通に見ることができます。
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