かねてから耐震性が懸念されていた金沢区総合庁舎の整備事業が動き始めた。1月下旬には各社の企画提案で設計業者を決める公募を開始。現在作成中の基本計画で事業の骨格をつめ、今年4月以降から基本設計・実施設計に入る予定だ。
この事業では、隣接する泥亀公園を含めた約1万1700平方メートルの敷地面積に、区役所、消防署、公会堂を整備する。現段階では2014年から15年にかけて現公園の敷地に区庁舎と消防署を建設していく予定。公会堂を含む総合庁舎全体の完成は18年を見込んでいる。総事業費は約100億円(今後の精査により変更する可能性あり)。
現庁舎が完成したのは今から約40年前の1971年。かねてからその耐震性が懸念されており、「市が所有する公共建築物耐震性能リスト」では、「地震の振動及び衝撃に対して崩壊、または崩壊する危険性が高い」ランクAに分類されている。昨年3月11日の地震の際、来庁者や職員は、隣接する泥亀公園に一時避難。庁舎の壁やタイル、スロープなどには多くのヒビが確認された。
こうした現状を踏まえ、市は災害発生時に区役所が災害対策本部として機能を発揮できるよう、早期の庁舎整備を決定した。なお、建て替えが完了するまでは、柱に鉄板を巻くなどの緊急的な補強を検討中だ。区総務課は「利用者の皆さんの生命を守ることが最優先となるので、現庁舎でもそれに耐え得るよう取り組んでいく」としている。
災害対策本部は市大へ
東日本大震災以前は、災害時に設置される災害対策本部を庁舎近くの金沢土木事務所に置くことを想定していた。しかし震災当日、同事務所に本部を設置したところスペースが狭く、金沢公会堂エントランスも併用することになった。この経験から、現在、横浜市立大学金沢八景キャンパスに設置できるよう関係各所と調整を進めている。
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