20周年を迎えた横浜金沢文化協会の理事長を務める 橘川 和夫さん 能見台在住 67歳
足運び知る、我がまち
○…20周年の記念品に刻む一文字は「悠」の字に決めた。過去から受け継いだ文化芸術活動をこれから先も、大きな流れで捉え、受け継ぎ、進化させるという会員の思いがこめられている。茶道などの日本文化、民謡民舞など所属個人団体は158。「金沢の文化振興のために、心一つに同じ方向へ進んでいくことが大事」
○…富岡で育つ。中学2年の時、分校から現在の西柴中学へ。今も趣味として続く写真に出会った。コンクールに応募するため、修学旅行の一コマを顧問が選んだ時のこと。「あれもこれもだめ」と友達や風景を撮ったのは全てボツ。「選ばれたのは自分が写った写真」と笑う。奈良までの道中、はやりの洋画を真似て髪をくしで整える――鏡ごしに自身の姿を写した一枚が全国2位に輝いた。未だ旧友の間で語り草になっている。
○…横浜市に就職し、金沢区長に就いたのは2002年。「金沢なしに語れない。区長なら金沢が良かった」。就任時に誓ったのは「歩く」こと。自宅のある六浦から区庁舎までの往復、区内の行事へ赴くのも全て徒歩。歩く速度で街を見、人と会って話をすると「街の魅力や問題が見えてくる」と話す。「金沢の魅力は海と緑と歴史以上に人々の元気」。街を歩き、触れ合い、知ったからこそ実感している。
○…昨年11月に企画した記念コンサートが記憶に焼き付く。第一線で活躍するプロが、故郷のために二つ返事で出演を承諾。「嬉しかったねぇ、心意気が」。主催者挨拶に立てばたちまち漫談に。堅苦しい挨拶を嫌うのは区長時代の名残りだ。役所時代には笑いを誘い「冗談きつか」と渾名されていたことも。「心を閉ざしていたらだめ。本音で言える関係を作らないと」と微笑む。同協会でもその振る舞いから「会が明るくなった」という声をもらうという。「伝統文化は馴染みが薄い。多くの人が気楽にアプローチできる取り組みを模索中」。新しいカタチを追求していく。
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