NHK連続テレビ小説「まれ」で太極拳を指導する 内田 愛さん 大川在住 30歳
太極拳を生きがいに
○…「太極拳は生涯スポーツ。多くの人の生きがいになれば良いな」。魅力を伝えるきっかけになればと、NHK連続テレビ小説「まれ」での太極拳指導を二つ返事で引き受けた。指導したのは、主人公が横浜で出会う後の友人で、太極拳の達人という少女。「ドラマの舞台も横浜。関われることが嬉しい」
○…中区出身。小学3年で始めた空手ですぐに頭角を現し、階級を上げるごとに関東を制覇。6年の時、師範の薦めで太極拳に出会った。「当時はただ友達に会いたくて」と笑う。意識が変化したのは一年後。初出場した全日本武術選手権で最年少優勝を果たした。「練習成果が結果に出るのが楽しくなった」。その後、国際大会などで次々と優勝。太極拳一本の道を歩み始めた。
○…「ずっと上を見てきた」と屈託ない笑顔で話す。転機が訪れたのは2005年。五輪種目入りを見据え、跳躍など本来の動きにはない難度動作が導入された。未知の経験に、全日本のコーチからは「やめろ」と厳しい言葉が。「それがバネになった。負けず嫌いなんです」。仕事の傍ら、毎晩練習を積んだ。「やめたいと思ったことは一度もない。やめるなら仕事」。ひたすらに道を極めた。幼い頃から築き上げた基礎に、目を向ける機会にもなった。「競技性が強くなった分、逆に基礎を忘れずに勉強するように」。培った土台を武器に、全日本で10連覇を遂げた。
○…「技術を伝えないのはもったいない」と夫に背中を押され、指導を始めたのが4年前。昨年のアジア大会を最後に競技を引退し、指導者として普及に努める。「恩師に教わった太極拳を正しく伝えたい」ともう一度、かつての門を叩いた。4月からは地元・金沢で教室も開講。「楽しそうに通うのを眺めるのが嬉しい」と、初心と重ね合わせる。区内で子ども向け教室を開き、若い選手を育てるのが夢だ。「選手生活は人生のほんの一部。これからの楽しみの方が大きい」
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