環境の保全や子どもの健全育成を目的に立ち上がったNPO法人「Reライフスタイル」。回収したペットボトルキャップの売却対価の全額寄付を続け、10周年を迎えた。募金総額は3000万円超。全額寄付のポリシーや寄付先などの透明性の徹底で信頼を勝ち得てきた。
鳥浜町に事務局を置く同団体。神奈川県産業廃棄物協会青年部の有志が2006年9月、仕事のノウハウを生かしながら社会貢献活動をしようと創立した。
産廃回収先の企業を中心にキャップを集め、樹脂メーカーに出荷。現金化し、全額を「世界の子どもにワクチンを日本委員会(JCV)」に寄付してきた。活動の輪は10年をかけ全国に広がり、今や4946の一般家庭や学校、企業などが協力。約150万人分のワクチンを、JCVを通じて世界の子どもたちに届けた。
「産廃回収するついでや、帰りに空になったトラックを使うため運送コストは一切かからない」と話すのは事務局の永井由美さん=写真中央。一般の持ち込みは送り主が送料を負担する。「売却対価に一切触らないというのが当初から揺らがない姿勢」。同団体の運営は、全国の会員企業31社からの会費でまかなわれる。
徹底した透明性
「全額募金がプライド」を合言葉に、透明性を徹底してきた。JCVからの領収書はホームページで公開し、事務局でも閲覧できる。
そんな中、昨年4月に市内で発覚した「キャップ寄付遅延」の事件。風評被害から電話が鳴りやまず、業務が麻ひ状態だったという。「世間で波風がたとうが、今まで通りのスタンスを貫いた」と話す。すると創立当初からの透明性の徹底ぶりに目を付けた企業が続々と見学に。他団体から乗り換えるなど、回収先が増えていった。「信じてキャップを託してくれる人がいる。その善意を届けるのが我々の役割」と永井さん。「回収数は平行でも良い。いつまでも活動を継続できれば」と話していた。
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