10周年を迎えた、鳥浜町のNPO法人「Reライフスタイル」で理事長を務める 藤枝 慎治さん 磯子区在住 51歳
「野球人」の誇りで道拓く
○…「いつ始めてもやめても良いのがボランティア。でもやるからには責任が伴う」。言葉通り、ペットボトルキャップ売却対価寄付を始めた時から貫く「全額寄付」の姿勢は10周年を迎えた今も揺るがない。当初は15人だった仲間も、全国から約5千社が協力するほどに。募金総額3千万円は、世界中の子ども約150万人分のワクチンに変わった。「皆が一生懸命汗を流してくれたおかげ」と感謝する。
○…熊本出身。小児リウマチに悩まされ、体力をつけようと小学5年で始めたのが野球だった。チームを支える捕手を志願。「大学に行き、野球部の監督として戻りたかった」。突如、家の事情でその夢が途絶えたのは高校3年の12月。ドラフト外で入団したヤクルトスワローズでプロ野球の道へ。だが8年後、当時の横浜大洋ホエールズで現役を退くことに。「野球しかない。もがいて苦しんで喘いで、とにかく必死だった」
○…壁に当たると唱える合言葉がある。「しょうがねえじゃん」。前に向き直ると、「勉強してこい」と仕事に導いてくれる人などプロ時代に大切に紡いだつながりが道を拓いた。「潜在能力より大きな情熱で頑張ってきた」。努力して上りつめたのが、萬世リサイクルシステムズの代表という立場。相手の情報を収集して分析する、捕手で学んだ経験が経営に生きる。やはり「社員は支えなきゃだめ」とも。適材適所で意見を聞き、社員の要望に応える。学生野球に関わり、大学で講演することも。引退した選手も相談に訪れる。「プレーはしなくても野球人」。プライドを支えに歩んできた。
○…「世の中に広める役は俺がやるよ」。キャップ回収の提唱者を支えようと仲間を集めて始まったNPO。他団体が起こした寄付遅延事件の余波を受けた時も、これまでの自信から怯むことはなかった。全額寄付を貫く姿勢に逆に支援が増えるほど。「次は協力企業とワクチンを届けた国など、つなげる役割を果たしたい」
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