金沢産業振興センターで10月14日行われたAozora Factoryの運営委員会委員長を務める 本多 竜太さん 磯子区杉田在住 44歳
”ツナギスト”の本領発揮
○…昨年初めて開催したモノづくりワークショップ「Aozora Factory」。「次回はぜひ、参加したい」という声も多く、参加企業は倍以上に増えた。当日は時折、雨がパラつく悪条件の中、約1000人が来場する盛況さ。「参加してくれた皆さんの『成功させよう』という思いが本当に嬉しかった」と充実感をみなぎらせる。
○…就職か進学かの決断を迫られる高校3年で、「フリーターになる」と宣言。卒業後は、音楽活動とアルバイトに明け暮れた。24歳で音楽業界に見切りをつけ、ガテン系求人雑誌で見つけた現在も勤務する印刷会社・関東プリンテック(福浦)へ。「当初は全然やる気がなかった」と振り返る。しかし工場に導入された新型機械の担当に大卒の後輩が抜擢されたのを見て、スイッチが入った。「悔しくて、自分がいなければ工場が回らない存在になろう」と奮起。発注や業者との交渉を一手に引き受け、やがて工場長に。さらに社長に直談判し、30代前半で役員になった。
○…役員時代は営業に奔走。その時培った幅広い人脈は今に生きる。今では、「コレ作れる?」「こんな企業、知らない?」など印刷業とは全く関係ない相談や依頼が舞い込むという。しかも、知らないことでもその依頼を断らず、伝手を辿ってできる業者を一緒に探す。「だって、知らないことを知れるから」。こうして積み重ねてきた知見が、人や企業、モノをつなぐ新たな武器となる。「もう、職業は”ツナギスト”ですね」
○…「同じ産業団地にある企業同士でも、よそが何をできて、何ができないかを意外と知らない」と話す。産業団地にある企業のビックデータを作りweb上で公開できれば新しいビジネスチャンスが生まれるのではと考える。次にやりたいのは、「区内に市民開放型の”工房”をつくること」。イベントではなく常設で人やモノ、技術が出会う場があれば面白い――。尽きぬ好奇心で、新しい化学反応を模索する。
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