横浜DeNAベイスターズジュニアチームの監督として12球団トーナメント連覇に挑む 川村 丈夫さん 45歳
心は今でも野球小僧
○…プロ野球の12球団がジュニアチームを結成して戦う「NPB12球団ジュニアトーナメント」が札幌で12月27日に開幕する。昨年、初優勝したDeNAベイスターズジュニアの新監督として、白羽の矢が立った。「成長段階なので、やりすぎてもやらなさ過ぎてもダメ。その加減がまだちょっと…」と苦笑い。指導者としても子どもたちと一緒に挑戦中。指導の裏付けとなるのは自らの経験。経験に基づいた教えこそ、子どもたちの身になると信じている。
○…800人を超える選考を勝ち抜いた16人を見守る目は、時に鋭く、時に優しい。8月に発足したチームは毎週のように練習を重ねてきた。「先週できなかったことが今週できるようになっていたりする」子どもたちの成長に舌を巻く。栄養や食事の面、故障に対するケア等が、自身の頃より進んでいると感心する。「僕らの頃は、ゲンを担いで試合前にトンカツ食ったりしてね」と真っ黒に日焼けした顔をほころばせた。
○…大和市内の生まれ。小学生時代に野球を始めた。ある大会で横浜スタジアムを行進したのが当時の良い思い出だ。地元中学から県立厚木高へと進学。甲子園予選で、後に巨人などで活躍した県立川崎北高の河原純一投手との延長16回の投げ合いは、高校野球ファン語り草の試合だ。立教大学から日本石油に進み、1996年にはアトランタ五輪日本代表として銀メダルを獲得、大和市民栄誉賞を受賞している。同年、横浜ベイスターズ(当時)に入団。優勝した98年のシーズンでは、開幕投手と優勝を決めた日本シリーズ第6戦の先発を任された。引退後はコーチやスカウトを歴任。球団を陰日向から支えてきた。来年はコーチとしてチーム復帰が決まった。
○…「野球は『ミス』のスポーツ。そのミスを皆でカバーし、取り返せるスポーツでもある。そこが魅力」と子どもたちに負けない笑顔で語る。その表情は今でも野球小僧そのものだった。
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