精神疾患のある人たちが演技を学ぶ演劇学校「OUTBACKアクターズスクール」(中村マミコ校長)の初公演がこのほど、横浜市中区にある「あかいくつ劇場」で行われた。
同スクールは、精神疾患がある人に対する世間の偏見や奇異の目に晒されることの認識の払拭、当事者が演劇を通して自身の生き方や社会のあり様を問い直し、表現力や発信力を身に付けていくことを目指すために今年4月に誕生した。
メンバーの募集はインターネットや知人を通じて行われ、横浜市内を中心に県内に住む20歳代後半から60歳代までの約25人が集まった。ほぼ全員が演劇経験のない素人集団だが「学芸会レベルでは終わらせない」という強い思いでスクールを運営。現役の役者を講師に招き、15回にわたって入念な指導が行われた。
劇の内容は病気のことや強制入院、家族関係のこじれなどの「実体験」をモチーフに構成。迎えた本番は練習以上の成果を発揮し、涙あり笑いありの観客を巻き込んだ最高のパフォーマンスを見せ、拍手喝采を浴びる成功裏に終えた。
中村校長は「世間からの冷たい視線やいじめなどの”生きづらさ”を経験するメンバーだからこそ、それをネタにでき、観客の心を動かす劇を完成させられた。精神疾患のある人が支援を受けるだけでなく、支援する側にもなれることを確信できたので、今後も続けていきたい」と話した。
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