保護者が当番制で練習をサポートし、何としても勝利を目指して毎週末は練習漬け--。少年野球の現場で見られる光景の一つだ。こうしたチームとは違った方針で立ち上がったのが、金沢区の「横浜金沢Ⅴ・ルークス」。加古潤二代表=人物風土記で紹介=は「勝利を目指す気持ちも分かるが、それよりも大切なことがある」と話す。
「1学年の定員は基本7人、保護者の当番はなし、勝利絶対主義ではなく全員が試合に出場する」。これらはルークスの方針の一部だ。真剣に野球に取り組みつつも、家族の時間も大切にして練習時間は半日を基本、月に1度は完全休日も設定。「勝ちたい気持ちも大切だが、その前に野球を楽しんで、ずっと好きでいてほしい」と加古代表。当初は子ども5人からのスタートだったが、方針に共感が集まって今では定員いっぱいの状況が続くチームとなった。
全国で最優秀に
今年2月には全国1000以上の少年少女・中学生の野球チームの応募があったベストコーチングアワードで、最上位のトリプルスターに選出。その中でも2チームのみの最優秀チームとなり、けがや障害予防を考えた練習や指導法を実践していると評価された。加古代表は「選手、保護者、コーチのおかげ。皆が自主的に取り組んだ成果」と話し、今後も子どもを中心に野球に向き合っていくという。
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