関東六浦高校(金沢区六浦東)の松村美咲選手(高3)が、今年4月30日から5月1日までカナダのラングフォードで開催された7人制ラグビーのワールドシリーズ大会で、日本代表として初めて世界の舞台に立った。
ロッカールームから薄暗い通路を抜けてグラウンドに走り出た時に浴びた大歓声は、日本では味わえなかった体験。観客席の熱狂が声に乗って伝わり、「興奮した」と振り返る。
日本代表が戦った5試合のうち、チーム最年少で4試合に後半から出場した。最も印象に残ったのは、最終戦の対メキシコ戦。最もボールに触った回数が多く、日本が唯一勝利した試合だった。高校の一年先輩、矢崎桜子選手(18)のトライのゴールキックで初得点も決めた。
「試合はそれほど緊張しなかったが、甘い世界じゃないと実感した」。ずっと憧れていた世界の舞台だったが、他国との力の差も痛感した。日本で見るのとは全然違う、外国人選手の体格やスピード感。「身体能力差が出る競技だが、そこで勝とうとするのではなく、日本の強みの低さやパスの速さ、正確さを打ち出していかないと」と冷静に分析する。「”いい経験”だけで終わらさないよう、自分の課題に向き合っていきたい」
男子に交じり練習
5歳までいた香港で遊んでいたタッチラグビーがラグビーに親しんだ原点。通っていた学童で女子セブンス日本代表の平野優芽選手の母親に誘われ、杉並ラグビースクールに入った。「小学校高学年くらいから、ラグビーが楽しくなってきた」と振り返る。中学校は「部活でラグビーがしたい」と世田谷区のラグビー部のある学校に越境入学。男子に交じりながら、プレーを磨いた。
目標はWC出場
関東六浦高で、初めて女子だけのチームでプレーをし、試合出場の機会も増えた。「日本代表に入りたい」という気持ちが芽生えたのもこの頃だった。
実際に日本代表候補の合宿に参加するようになると、そのレベルの違いに驚いた。朝から晩までラグビー漬けの合宿生活でも、「しんどいと思うことはあっても、辞めたいとは思わない」と言い切る。遠征や合宿で学校に行けない日が増えたが、教科書を持ち込み、勉強との両立を図る。「ラグビーを言い訳にしたくない」。負けず嫌いの一面をのぞかせる。
今年は女子ラグビーワールドカップの年。7人制が9月に南アフリカで、15人制が10月にニュージーランドで開催される。「今は、そこで戦うことが目標です」と強い思いを話した。
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