金沢区佛教会の会長を務める 佐伯 隆道さん 金沢区富岡東在住 54歳
宗派を超えて仏教つなぐ
○…金沢区内の29の寺院が所属する金沢区佛教会の会長に昨年6月に就任。戦後まもなく発足したといわれる同会は宗派を超えて「仲が良い」のが特徴。4月7日には78回目となる「花まつり」を開催する。「行事を通して、仏教を少しでも知り、楽しいことがあったと思ってもらえれば」
○…400年を超える歴史がある富岡東の宝珠院と慶珊寺の住職を兼任する。三人きょうだいの長男として生まれ、富岡小、富岡東中、金沢高を卒業。中学生で50m走が6秒4と俊足で陸上部に所属。高校生の時はマージャンに熱中した。「昭和のおおらかな時代だった。子どもの頃を知る檀家さんには『たかちゃん、立派になったね』と今でも言われます」と苦笑い。
○…朝起きると本堂で般若心経を唱える習慣はあったが、「やりたいことをやりなさい」という両親のもと、車好きが高じて、成蹊大学の工学部機械工学科に進学。車を買いたい一心でアルバイトに明け暮れ、いすゞの名車「117クーペ」を買った思い出も。中学2年で仏門に入る「得度」を受け、大学3年で高野山に修行へ。「人間の煩悩とどう向き合い、どう生きていくか」という仏教以上に、「仏教という教えのシステムを理系的に解釈するのが好き」という。
○…同会では、他の宗派の袈裟はどうなっているかといった素朴な疑問から仏壇のまつり方、戒名のつけ方まで「普段聞けない他派のことをお互いに聞き合える」といい、会の良さを皆が大事にしているという。最近腑に落ちた言葉は「一升ますには一升しか入らない」。詰め込みがちな世の中だが「できることは限られている。時代に合わせながら、次の世代につないでいくのが使命」と話した。
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