「多文化共生スポット ワールドキッズ」代表として学習支援に取り組む 王 広子さん 磯子区上町在住 58歳
子どもたちと苦楽を共に
○…外国につながる子どもたちの学習支援活動を始めてから約8年。地元の根岸地区だけでなく、2年前には洋光台地区にも活動を広げた。「昨年度は高校受験で志望校に合格できた子が多かったんです。皆で卒業をお祝いできるときが、一番うれしい」。微笑む表情からは、子どもたちを思う優しさがあふれている。
○…活動のきっかけになったのは、娘が根岸小学校在籍時に中国からの転校生がやってきたことだった。夫が中国人で、自身も中国への留学経験があったことから、学校側から通訳などのサポートを依頼された。そこから年々外国籍の児童は増加。そうした児童が勉強に苦労する姿を見る中で、「子どもたちの将来はどうなってしまうのだろうか」と不安を感じ、2016年にまずは自宅で日本語を教えることからスタート。思いに共感するボランティアが集まって活動が広がり、学習支援にとどまらず「子どもたちの心が休まる居場所を作りたい」という思いを形にしてきた。
○…自らも根岸小の卒業生。現在は「認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ」のコーディネーターとして、外国につながる高校生の支援も行っている。年代を問わず支援に取り組む根底にある思いは、「子どもたちが、かわいいから」。さまざまな場所で接する子どもたちの笑顔が原動力だ。
○…「始めた時は独りぼっちと思うこともあったけど、今は皆が支えてくれているから活動ができる」。子どもたちへ同じ気持ちで向き合い、共に活動するボランティアの同志たちへの感謝を日々感じている。「子どもたちには、日本に来てよかったと思ってもらいたい」。苦楽を共にしながら、子どもたちの明るい未来を願っている。
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