プロボクシング元世界王者で現在はジムの会長としてチャンピオンを輩出する 大橋 秀行さん 横浜高校出身 48歳
前だけを見つめる不死鳥
○…昨年は「大橋ボクシングジム」所属の男女世界王者がともに王座を防衛。日本人最速での世界王座獲得が期待される有望選手も輩出した。指導者となり20年の節目を迎え「まだまだこれから。さらなるビッグマッチが控える大事な年になる」と気を引き締める。
○…南区で生まれ、幼いころに神奈川区へ。兄と一緒におもちゃのグローブでボクシングの真似ごとをした。「次第にパンチをよけるのが上手くなった」と才能の片鱗を見せ、中学生でジムの門を叩く。当初から世界チャンプになることを目標に、ボクサーが試合前に行う減量を意識し「一日一食の生活をしていたら担任の先生に心配された」と苦笑い。その教諭とは現在も連絡を取り合う。
○…当時のアマチュアボクシング強豪校だった横浜高校に入学。2年生でインターハイを制したが、その後の大会では沖縄県の選手に連敗する。「人生で最大のライバルの一人。彼に勝つため毎朝4時に起床して走り、部活動の後は夜のジムで練習。死に物狂いだった」。3度目の対戦で初めて勝った宿命の相手と、10年前に沖縄で再会。肩を並べて撮った写真を手にして、青春時代の激闘を思い返す表情から、拳で語り合った男同士の友情が見えてくる。
○…プロデビュー後、幾多の敗戦を乗り越え世界王者となったことから、現役時代の異名は「フェニックス(不死鳥)」。「精神面など心の持ち方は本を通して学んだ」と話す読書家で、スランプ気味の教え子には前向きになれる「お薦めの一冊」を手渡す。「ピンチの時こそ自分が成長できるチャンスと思ってほしい」と自らも前だけを見つめ、2007年には東日本、10年には日本プロボクシング協会の会長に就任。女子のプロ化や若手アマ育成のための大会を設けるなど、改革を進める。「6年後の東京五輪に向け、今から楽しみな選手がいる」。期待に胸を膨らませて、今年も日本のボクシング界を牽引する。
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