金沢文庫芸術祭実行委員会のステージリーダー 大竹 宏二さん 西柴在住 43歳
子どもが誇れる地元に
○…「大人向けでもなく、子ども向けでもない。両者が楽しめるお祭りにしたい」。金沢文庫芸術祭の1DAYイベントを間近に控え、穏やかに抱負を語る。昨年、担当するステージのバックに子ども達が描いた大型絵画を飾るアイデアを出したのも、そんな思いから。「ダンス中心のステージはどうしても大人向けになりがち。絵を飾ることで、子どもの来場が増えると思ったし、実際増えました」と笑顔。今年も多くの子どもの力作が会場を飾る。
○…例年ならば開催へ向け動きだす今年3月。東日本大震災を受け、「今年は出来るのか」と開催を危ぶむ声もあった。そんな中で立ち上がった「アートでつながる子供達プロジェクト」は、「芸術祭を通して自分たちができること」を考えた結果だったという。自身は仕事の都合で被災地に足を運ぶことはできなかったが、被災地3ヵ所に加え、市内の幼稚園などの子ども達にも描いてもらったロール絵は全長100mを超えた。「子どもが力を合わせた作品をぜひ会場で見て欲しい」と呼びかける。
○…幼いころに移り住んで以来ずっと暮らしている金沢区への愛着は人一倍。「子どもには地元を誇りに思って欲しい」と強く願っている。「金沢区は、海も公園も多く子育てしやすい。煙の出る工場もない。それは、私の父親世代が残してくれた環境。いい意味で守っていきたい」。芸術祭の中心スタッフは20〜30人だが、区民は意外に少なく10人弱だという。「住んでいないと分からないこともある。地元とのパイプ役になれれば」と力強く語る。
○…芸術祭のスタッフになって、写真が趣味になった。被写体はやはり子ども。「表情がいいんですよね」とにっこり。「芸術祭に参加した子どもが大人になって、子育てをした時に、一緒にきてくれるようなイベントに育てていきたいですね」。言葉のはしばしから、地元と子ども達への愛情がうかがえた。
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