9月から磯子警察署の署長として区内の治安に取り組む 山口 雅見さん 杉田在住 56歳
報恩の思いで磯子を守る
○…34年前、警察官としてのキャリアをスタートさせた磯子の街に、署長として帰ってきた。本部の国際捜査課からの異動。「原点に戻ってきたような気持ち」と身を引き締める。署長としての目標は「犯罪の抑止と検挙に過敏に反応し、先手の対応を率先して実行する」こと。長年歩んできた刑事畑での経験を、磯子の安全・安心へ還元していく。
○…杉田商店街の入口にあった杉田交番が初任地。買い物でおまけをしてくれた肉屋や、閉店後に茶をしながら世間話をした本屋など、人情味溢れる杉田での新人時代を振り返る。「人の温かさは変わらない」。下町風情残るこの街が「大好き」だ。刑事経験で印象に残るのは捜査一課時代の坂本弁護士一家失踪事件。最後は警視庁に引き継がれるも「自分たちが最初に積み上げた資料が解決に役立ったと言われた」と胸を撫で下ろす。部下の家族の誕生日を控えるのは、忙しく不規則な刑事の業務を経験してきたからこそ。「家族の誕生日は早めに帰ろう」の一言で署員を笑顔にする。
○…横須賀出身。「肝が据わったのは仕事柄。内気な子どもだったんだよ」と笑う。教員志望の学生時代、練習で受けた地方公務員試験に合格すると「警察学校で学生を惹きつけられる教官になれたら」と警察の道へ。教官になった際は、現場経験を踏まえた講義や、鑑識から講師を呼び特別講義を企画するなど工夫。「今は教え子の成長を聞くのが嬉しい」と笑顔を浮かべる。
○…妻と子ども3人の5人家族。趣味は学生に負けた悔しさで始めたバドミントンや、逗子署時代「なかなか当たらないから」と乗せられて始めたゴルフなど。得意の料理は、その腕前が評判になり小学校の親子教室の講師に呼ばれたほど。食べ歩きも好きで「ラーメンが好きな人で覚えられている」と頭を掻く。「警察官として育ててくれた磯子に縁あって戻ってきた」。座右の銘「報恩」の思いで、街の安全・安心を築く。
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