開幕を来週に控えたリオ五輪に出場する選手を中学時代に指導した経歴を持つ2人の教諭が区内浜中学校に在籍している。今回、「磯子からリオへのエール」と題し2人の教諭に中学時代の話などを聞いた。初回は、陸上男子・20Km競歩に出場する松永大介選手(東洋大4年)を指導した陸上部顧問の戸崎光教諭。
◇◇◇
「正直、五輪に出場する選手になるなんて想像もできなかった」。戸崎教諭が初めて松永選手を見た時の印象だ。松永選手は入学当初、クラスで一番背が低く線も細かった。1年生の時には短距離で女子選手よりも遅かった。専門種目は長距離だったが、同学年の中には他の種目で全国大会に出場した選手もいた中、記録は市大会レベル。県大会に出場することすらできなかった3年間だった。
一方で、「走ることが好きという気持ちはひしひしと伝わってきていた」。向上心が高く、練習を重ねるうちに記録が少しずつ伸びたことで「コツコツと練習をすれば記録を出せるという彼なりの自信を重ねていった」と戸崎教諭は振り返る。中学3年の市駅伝大会では100人中区間一桁順位で走る選手になっていたが「それでもレベルは市大会程度の選手だった」。
真っ先に相談に
部活の引退時期となった中3の10月に3年生全員に「陸上で進路を考えたい人は相談に乗る」と話したところ、真っ先にきたのが松永選手だった。「正直、全国にも出ていない松永が一番先に来るとは思わなかったのでびっくりした」
ただ、3年間陸上に真摯に取り組んでいた姿勢を見続けてきたこともあり、のちに競歩に転向し現在の活躍の始まりとなった陸上の強豪・横浜高校への進学を勧めた。「中学では競歩という種目はないので、高校から始めることになったが、今考えると、骨盤の使い方など競歩の適性があったのではと思う」。また、「中学までは全く勝てなかった選手が競歩と出合い、記録を出せたことでさらに自信を深めていったことも今の活躍につながっているのでは。さらに真面目で素直、おごりがない人間性が彼を飛躍させたと思う。それは中学の時に勝てなかったところからスタートしているから」と続ける。
戸崎教諭は、松永選手が浜中学校を卒業後も、大事なレースにかけつけ応援してきた。今年3月の石川県で行われたリオ五輪選考会でも沿道から声援を送り続け、今月松永選手にあった際には「自分の最大限のパフォーマンスで、自信を持ってレースに臨んで」と声をかけた。8月13日未明のレース当日は杉田からエールを送るつもりだ。
磯子区版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|