市長の諮問機関 区議会設置を提言 県から独立で具体案
横浜市が神奈川県から独立し、国の事務以外をまとめて行う「特別自治市」への移行議論が進んでいる。3月29日には、林文子市長の諮問機関が住民自治機能強化のために、区議会設置や区長公選制導入を盛り込んだ提言書を市に提出した。今後、コストや具体的な方法などが議論される見込みだ。
区長公選制も
市は県と同じようなサービスを行う「二重行政」の解消などを目指し、特別自治市の研究を進めている。昨年8月には、市長の諮問機関として行政学の専門家ら6人による「大都市自治研究会」(座長・辻琢也一橋大教授)を設置し、制度の骨子などを議論してきた。
同研究会の第1次提言書では、特別自治市としての横浜市が市内の県の事務をすべて処理し、地方税もすべて徴収するとしている。さらに、身近な住民自治を実現させるために、区選出の市会議員による区議会や区民協議会の設置、区長公選制の導入を提言した。
2012年度、各区役所が独自の裁量で使い道を決められる「区づくり推進費」は全市で約22億4千万円で1区あたり1億2400万円。ある区長経験者は「新しい事業をやろうとしても、使えるのはせいぜい100万円以下」と明かし、区特有の問題に対応するためには、市が持つ権限、財源を区に移譲することが必要だという。特別自治市が実現し、区議会や公選区長が誕生すれば、区の裁量が現在より大きくなるとみられる。
コスト示さず
提言書には、区議会設置や区長選挙のコストは明示されていない。最少で1区2人しかいない市議が区議を兼ねて議会が成り立つのか、新たな二重行政につながるのではとの懸念もある。市は「コストや具体的な方法は今後示される」とし、議会設置は、市会でも議論されるべきとしている。
県の事務を市が行うと、市内の県会議員も必要なくなり、県との調整が必要。ある県議は「県から市への権限移譲は必要だが、市の受け皿が整っているのか」と疑問を投げかける。県はより広域的な道州制を目指しており、黒岩祐治知事は「(区議会設置で)財政負担が莫大になる。行政改革の流れにも逆行する」と提言を「机上の空論」としている。
特別自治市創設には、国の法改正など課題は多い。市は早ければ5月中に大綱の素案をまとめる方針だ。
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