10月31日に創立50周年の記念行事を実施した上永谷中学校。今までに1万5156人が巣立った「上中」の歴史を振り返る。
港南区内で港南中学校に続いて歴史ある上永谷中学校。1965年(昭和40年)11月、南区上永谷町5081番地(当時/現在地と同じ)に完成した港南中学校永野分校が前身となる。
67年4月に永野分校が廃止され、上永谷中学校が開校。当時は10クラス398人、学区は南区上永谷町・下永谷町の全地域と野庭町の一部、六ツ川4丁目に加え、戸塚区平戸町の一部も含むなど広範囲に及んだ。
時代は高度経済成長期から安定成長期へと移り、生徒数も右肩上がりで急増。76年のピーク時には1923人の生徒数を数えた。また、同時に市立中学校の整備も進み、74年に野庭中学校、77年に芹が谷・日限山中学校、89年に東永谷中学校が上永谷中学校から分かれる形で開校している。
1期生で同窓会会長も務める中村栄一さん(63)は港南中学校に入学後、永野分校へ移り、3年進級時に上永谷中学校の開校を迎えた。「当時は校歌もなく(制定は72年)、体育館やプールもなし。入学式や卒業式などの行事は外で行っていた」と振り返る。
部活動は野球部でピッチャーだったが、グラウンドは水はけも悪く、手入れも大変だったという。そういった状況だったが、「永野分校の時代から何をやるにも常に最上級生の立場だった。体育祭や生徒会などの行事、活動は、自分たちが経験のない中、手さぐりで考えた」。教員や同級生と協力し合い、第一歩を重ねた経験は今も生きているという。
中村さんは後輩の中学生に対し「今まで培ってきた伝統、歴史、精神を受け継ぎ、未来に向かってさらに発展させていってほしい」とエールを送っている。
今の上中
現在の生徒数は542人。今年4月から新たに掲げられた学校教育目標「日進月歩〜笑顔で羽ばたく上永谷〜」の下、日々勉学に励んでいる。
50周年となる今年度は、図書室の電算化整備が行われたほか、校歌を主題とした祝典行進曲の制作や50周年シンボルマーク、記念ポスターも作られた。
また、5月14日には航空写真も撮影。記念行事の目標である「上中大好きな仲間たちの大きな輪をつくる」の一環として、生徒の人文字の周りに地域住民が並んで写真を撮影した。
北見俊則校長は生徒に対し、「志を持って生きる人になってほしい」と話し、今後の上永谷中学校については「今以上に地域とともにある学校にしていきたい」と決意を語っている。
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