12月5日に港南公会堂で開催される「いじめ防止市民フォーラム」で講演する 近藤 昭一さん 旭区在住 64歳
「ネットは居場所ではない」
○…ネット社会の中で子どもとどのように関わるか。長く教育現場に携わり、現在、研究者として感じている思いを「いじめ防止市民フォーラム」で講演する。
○…長崎県佐世保市生まれ。大学を卒業後、横浜市立中学校で社会科教員としてキャリアをスタートさせる。生徒指導に関わる期間も長く、いじめや暴力など生徒の問題行動に「生身でぶつかりあってきた」。以前から人との関わりが苦手な子どもは多かったが、「直接的で激しい応酬をしながら信頼関係を築く時代だった」と振り返る。それがネット社会の広がりとともに「子どもの行動が見えなくなった」。その状況に危機感を抱いたことが研究を始めるきっかけとなり、南高校の校長在任時に「モバイル社会を生きる子どもたち」を上梓。現在は玉川大学大学院で教職員を目指す学生に授業を行う傍ら、全国で講演を行う多忙な日々だ。
○…例えば対面でケンカをすれば、相手を傷つけることも自分が傷つけられることもあり、その経験や葛藤は成長する糧にもなる。ところがネットの世界は一方的で、遮断してしまえばノーリスクだ。そんなネットに子どもが依存してしまうのは、自信の無さや不安が背景にあるという。「ネットは居場所ではない」と強く話すのも、人間関係が直接的ではなく間接的で、それが成長する力を阻害してしまうと危惧するためだ。ネットいじめも間接的であるがゆえの無責任や攻撃性からだと主張し、人と直接関わる大切さを大人や家庭が示すとともに、子ども自身がネットのルール作りを考えることが重要と訴える。
○…史学科卒業とあって、古戦場めぐりと日本酒が趣味。ネットに関しては「仕事上、仕方なく見る」と笑うが、「子どもが夢中になるのも分かる。ネットの活用は、どんどんやればいい」と理解を示す。「大切なのはネットを道具として使えるかどうか」。ネット社会を生き抜く子どもに、メッセージを送る。
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