子どもの発達障害の初診までにかかる待機期間が全国的に課題になっている。市内では民間の医療機関でも診察を行っているが、横浜市が設置する8カ所の地域療育センターでは初診までにかかる平均待機期間は3・4カ月。最も長い東部地域療育センターは4カ月という。発達障害の認知が広がる一方、診断できる専門医が不足していることが背景にある。
発達障害は、脳の発達が通常と異なるためにコミュニケーション障害などの症状が幼児期から現れるもの。自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障害などに分類される。
地域療育センターは、子どもの発達障害などの「早期発見・早期治療」を目的に1985年から方面別に設置され、現在市内に8カ所ある。0歳から小学校期が対象で、医師による障害の診断、専門家による療育相談支援、親子同士の交流の場作りなどを行う。
2015年度の全施設新規利用者は3944人。05年度の2037人から約2倍に増えた。特に増加しているのが発達障害児の割合で、05年度の約5割から15年度は7割に上昇。市担当者は、「かつては障害と思われなかったケースも、認知が広がり発達障害として理解されるようになっている」と分析する。
需要が増える一方、全国的な専門医不足などから初診待機期間は長くなっている。8施設の平均待機期間は3・4カ月(15年度末時点)。中でも近年管轄エリアの子どもが増加している東部地域療育センターは最長4カ月。同施設へ次男の診療を申し込んだ鶴見区の女性は約4カ月待機し、不安を抱えていた期間について「一番辛かった」と話す。
保護者らの不安を軽減するため、横浜市はこれまでに、相談員を増員するなどして各施設の体制を強化してきた。今年度は東部地域療育センターの新拠点を設置。同施設の診療の受け入れ枠も増やし、初診待ちの短縮につなげたいとする。
市の中期4カ年計画では、療育センターの初診待機期間目標を3カ月としてきた。「一般の病院より待機は長いが、障害の療育は病気の治療とは異なる。医師以外の専門家による相談支援などでもアプローチする」と市担当者は説明する。
一方で保護者らからは、「障害の診断は一刻も早く知りたい。間口をもっと広くしてほしい」という声もある。専門医の増員について担当者は、「他自治体と連携し国などへ要望することも検討したい」とし、「待機期間を少しでも短縮していきたい」と話している。
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