港南台出身のスポーツライター・大利実さん(40)が23日、自身5作目となる著書「変わりゆく高校野球 新時代を勝ち抜く名将たち」(インプレス)を刊行した。強豪校の指導者にスポットを当て、野球を通じた「いまどき世代」の育て方を紹介している。
間もなく始まる夏の高校野球選手権大会。神奈川県は全国有数の激戦区で、横浜高校や東海大学付属相模高校など日本一の実績をもつ強豪校がひしめく。
なかでもライターの大利さんがスポットを当て続けているのが各校の「指導者」だ。「野球部は古い体質と思われがちだがそうではない。指導しているのは基本的に教員で、野球以外の部分も考えて生徒たちを育てている『熱い先生』たちが多い」と語る。
2013年には「高校野球 神奈川を戦う監督たち」(日刊スポーツ出版社)で県内強豪校の監督を取り上げた。今作では全国の中学高校野球部の指導者を取材したほか、北海道日本ハムファイターズの栗山英樹監督や、直近10年間で5度の日本一に輝いた大阪桐蔭高校・西谷浩一監督のインタビューも収録している。
サブタイトルを「『いまどき世代』と向き合う大人力」とし、「昔の様な厳しい指導ができない今の時代。それでも選手を育て、チームを強くしている大人たちがいる。ビジネスマンや子育て中の人にも読んでもらいたい内容になっている」と大利さんは語る。
四六判全288ページで定価1500円(税別)。
「誰よりも見ること」
港南台第一中、港南台高校(現・横浜栄高校)出身の大利さんが野球と出会ったのは小学生のころ。選手名鑑が愛読書で、「プレーするより観るのが好きだった。好きだから細かいことも覚えられる」と話す。
父の実家が阪神甲子園球場の近くだったため、夏休みには兄と球場に足を運んで高校野球を生で観戦していた。今もその目で各地の試合に立ち会っている。「『見る』ことがライターとして最も重要。長く見ている人が一番強いし、見ていないことは深くは書けないので」
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