港南警察署の署長に新しく着任した 田村 淳一さん 港南区在住 54歳
”凡事徹底”で治安守る
○…「地域の集まりなどで寄せられる区民の声に耳を傾け、求めていることを知り、真摯に対応していきたい」。9月4日付で港南警察署の署長に着任した。署員約200人へのあいさつでは「区民の目線に立った仕事をしよう」と呼びかけた。座右の銘は「凡事徹底」。「かつての上司が大事にしていた言葉。当たり前のことを当たり前のようにしていくことが、警察官の基本」と力強く話す。
○…静岡県出身。親族に警察官が多かったこともあり、幼少期から自然と警察官への道を目指していた。「広い街で仕事がしたい」と思い、高校卒業後は神奈川県警察学校へ進学。初任地の緑警察署から始まり、これまで戸部署や本部の総務、警務、地域など幅広い分野で経験を積んできた。前任は本部の警備課長で、機動隊では合計して7年間の経験がある。第二機動隊では隊長を務めた。
○…22歳で機動隊員だった1985年、「日本航空123便墜落事故」が起きた。神奈川県警からも署員が現場に派遣され、救助を行った。死者520人、山に泊まり込んでの厳しい作業が日々続いたが、仕事を終えて現場から引き上げる帰り道、地元の人々が深々と頭を下げて感謝の気持ちを示してくれた。「その姿を見たとき、警察官の仕事を心から誇りに思い、使命感を感じた」。36年間の警察官人生の中で、最も印象的な出来事だった。
○…これまで縁がなかった港南区だが、着任して各地を回り、受けた第一印象は「明るくさわやかな街」。「出勤途中に見守りを行う住民の方と子どものあいさつの声がよく聞こえる。防犯や交通安全活動が活発で、関係機関や行政との連携が取れているから心強い」と笑顔を見せる。課題は「住民の体感治安が良い街」にすること。そのためにも、凡事徹底で警察官の使命を貫く。「身近な犯罪や交通事故の被害者を1人でも減らしたい。パトロールに力を入れていく」
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