自伝的小説が映画化
港南区の日限山中学校出身の棋士・瀬川晶司さん(48)の自伝的小説「泣き虫しょったんの奇跡」が映画化され、9月7日(金)から全国で上映される。35歳で”脱サラ”し、プロ入りを果たした異色の経歴を持つ瀬川さんの挑戦を描いた物語だ。
同作は”泣き虫”だった少年時代の瀬川さんが将棋と出会い、挫折を乗り越えてプロ入りを果たしていくまでの成長が描かれている。中学時代に全国大会で優勝した瀬川さんは、そのままプロ棋士の登竜門「奨励会」に14歳で入会。腕を上げていったものの、26歳の時に年齢制限の壁にぶつかり、一度は夢を諦めた。
将棋を離れて学生生活を送っていた時期もあったが、長らく応援してくれていた父が交通事故で他界したことが転機となる。「自分の好きな道を行け」という父の言葉を思い起こし、サラリーマンとして働きながら再びプロを目指して実力を積んだ。そして35歳で、奨励会退会後のプロ編入試験突破という史上初の快挙を成し遂げた。
主演は松田龍平さん
「初めて映画化の話をもらったのは昨年の春。本当なのかなと驚いた」と瀬川さん。本作でメガホンを取るのは、同じく奨励会に所属した経験を持つ豊田利晃監督で、瀬川さんは「将棋の魅力や厳しさが爽やかに描かれている」と感想を語る。
本作では「将棋が好きになるきっかけとなった恩師」とあおぐ日限山小学校時代の教師や、幼馴染のライバル、プロ入りを支えた仲間や家族らが豪華俳優陣によって演じられている。主人公の瀬川さん役を演じるのは俳優の松田龍平さんで、「こんなにかっこいい人に演じてもらえていいのかな」と恐縮しつつ、「雰囲気まで演じ切ってくださった」と笑顔で語る。
撮影では出演者に対して、瀬川さん自ら将棋を指す手つきや作法を指導した。「皆さんののみ込みが早く、さすがプロだと思った」と振り返る。
地元での指導も
地元の子どもたちに将棋指導を行うなど後進育成にも熱を込める瀬川さん。自身を振り返りつつ、「将棋で負けるのはつらいが、悔しくて泣く子は強くなる」と地元の将棋少年少女にエールを送る。
「どの世代でも楽しめる作品だが、特に子どもたちには、何かに熱中することの良さを感じてもらえれば」とし、「映画化は本当にうれしい。けれど、あくまで本業は将棋。まだまだ上に行けると思っているので、プロとして結果を出していきたい」と語った。
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