病気や対人関係に悩む人らの自殺を防ぐため電話相談を無料で行う社会福祉法人「横浜いのちの電話」(【電話】045・335・4343)。ボランティア相談員が対応にあたるが、慢性的な人員不足に悩まされている。対応人数が限られるため、およそ20回に1回しか電話がつながらない状態だ。
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横浜いのちの電話は「眠らぬダイヤル」として、1日約60件の相談を受ける。相談員は1日24時間を5交代で対応。最低2人以上が常駐するため、1カ月でのべ320人の相談員が必要だ。現在、稼働している相談員は約180人。花立悦治事務局長は「厳しい状態が続いている」と話す。
1990年代は100人を超える応募がありピーク時には310人が在籍したが、減少傾向に。横浜いのちの電話は毎年12月から2月中旬まで相談員を募集しているが、定員40人は埋まらない。
一方、相談件数は昨年度2万1372件で、3・5%から5%の着信率(電話がつながる確率)となっている。
また、他都市では電話だけに頼らず、インターネット相談を行うセンターも。だが「ノウハウがない」「即時性が薄い」などの理由から、横浜の事務所では未導入だ。「直接話すにこしたことはない。間口を広げて電話にどうつなげるかが大切」と花立事務局長は話す。
”やりがい”が支え
人員不足の一因に、相談員になるためのハードルの高さがある。昨年度は20人の応募があったが、適正審査や研修を経て最終的に相談員になったのは4人だった。
応募者は1年間の研修のほか合宿への参加が必要で、費用は自己負担。今年度から使用施設の見直しなどで昨年度比約1万5000円減額したものの、依然として5万5千円と合宿費2回分がかかる。「費用を下げれば増えるとは思っていないが、少しでも負担をかけずにできれば」と話す。
ボランティアの負担は軽くないが、「相談が終わる時に暗い声から明るい声になると、よかったなと心底思う」とやりがいを話す花立事務局長。「1人でも多くの悩みに対応したい」――そんな思いで、応募者を待つ。
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