「猫の日」(2月22日)にちなみ港南区役所1階で18日から22日まで、猫に関するトラブルの予防啓発を目的としたパネル展が開かれ、施設利用者らが足をとめて関心を寄せていた。野良猫への取組はどう進んでいるのか。
区内では港南区獣医師会やボランティアが中心となって20年ほど前から野良猫問題に取り組んできた経緯があり、獣医師会の太田雄一郎会長は「解決の難しい問題はまだあるが、当時と比べてずいぶん状況が変わってきた」と手応えを語る。
横浜市内の野良猫の安楽死処分数は2000年頃、年間で数千頭にのぼり、そんな不幸な猫を減らそうと太田会長らをメンバーとする「港南キャッツアイ」が猫の不妊・去勢手術のための募金活動などを続けてきた。また港南区獣医師会は毎年30〜50頭の無料手術にも取り組んでいる。
「野良猫の数に比例して苦情が増え、それが処分に繋がってしまう。繁殖を防ぐことが野良猫の命を守ることになる」と太田会長は指摘する。飼い猫であっても屋外に出る猫については「飼い主の責任として、外での繁殖を防ぐために手術を済ませてほしい」と話す。
横浜市動物愛護センターでは2017年度の安楽死処分が年間390頭で、20年前より大幅に減少しているが、「今なお、人間によって命が奪われる状況がある」という。
啓発でトラブル防止
市は飼い主のいない猫をなくそうと不妊去勢手術の助成事業を続け、港南福祉保健センターは「置きエサ」など猫をめぐるトラブルの予防についてリーフレットなどで啓発している。また捨て猫を防ごうと、ペットの飼い方講座などを開いて好評を得ているという。
太田会長は「散歩が不要で猫は犬よりも高齢者に飼いやすいともいわれる。ただ、人も老いる中で10年後もしっかりと面倒をみれるのでなければ、捨て猫を生むことにもつながる」と警鐘を鳴らす。
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