神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
港南区・栄区版 公開:2019年6月27日 エリアトップへ

新元号令和で注目 父は万葉集を愛した日本画家 栄区柏陽在住の大亦さん

文化

公開:2019年6月27日

  • LINE
  • hatena
大亦観風『大宰府梅花宴の歌』
大亦観風『大宰府梅花宴の歌』

 初春の令月(よきつき)にして、氣淑(きよ)く風和ぎて、梅は鏡前の粉(よそほ)ひを披(ひら)き、蘭は珮後の香りを薫(かを)しぬ――。新元号「令和」の由来となった『万葉集』ゆかりの地や作品が全国で注目を集めている。その一つが万葉集をこよなく愛した画家、大亦観風(おおまたかんぷう)の作品『大宰府梅花宴の歌』だ。

 「令和と聞いてすぐ万葉集だと分かった。何度も父の作品をみて記憶していた。作品が展示され、使われ、またこんなに注目されるとは思わなかった」と話すのは栄区柏陽在住で大亦観風の長男、大亦博彦さん(85歳)と美保子さん(80歳)夫婦。

 大亦観風は1894(明治27)年に和歌山県和歌山市の油問屋を営む家庭に生まれた。故郷で洋画を学び、1913(大正2)年に画家をめざして上京。その後は日本画へ転向し、独自の画風を切り拓いてきた。歌人として自らも歌を詠み、後に『万葉を描いた画家』として知られるようになった。

 代表作として知られるのが、和歌に造詣の深い観風ならではの『万葉集画撰』全71図だ。万葉集から71場面を選び、明るい色彩と独自の軽妙な筆づかいで万葉歌の情景を表現している。

 71図を所蔵する奈良県立万葉文化館で現在開催中の改元記念特別企画では、「令和」のルーツになった梅花の宴を描いた『大宰府梅花宴の歌』が展示されている。

父・観風との思い出

 「画室に入ったことがなく、父が絵を描く姿を見たことがない。完成するとよく見せてくれた」と博彦さん。父・観風は万葉集の舞台となった地へ度々足を運んではスケッチを描き、文献をよく調べていたという。

 「疎開していた時、笛吹川のほとりで父と一緒に食べたおにぎりが忘れられない。これが最後かもしれないと思っていた」。観風は博彦さんが中学1年の時、53歳の若さで胃がんのため亡くなった。

 博彦さんと美保子さんは「今回の新元号『令和』は不思議な感じがする。いろいろな人のおかげで父の作品が忘れられることなく、今までつながってきた。それだけ魅力のある絵だったと思う」と画集を手に嬉しさをかみしめていた。

博彦さん(右)と美保子さん
博彦さん(右)と美保子さん

港南区・栄区版のローカルニュース最新6

光と音楽が織りなす横浜冬の風物詩「ヨルノヨ2024」

光と音楽が織りなす横浜冬の風物詩「ヨルノヨ2024」

12月5日から30日、都心臨海部で

11月22日

港南・栄で啓発行う

秋の火災予防運動

港南・栄で啓発行う

11月21日

地域住民によるアート展

日野南連合自治会

地域住民によるアート展

11月21日

石川佳純さんが卓球教室

石川佳純さんが卓球教室

サンクスツアーで横浜に

11月21日

脳卒中の治療と予防

脳卒中の治療と予防

12月7日に市民講演会

11月21日

再びJ1の舞台へ

横浜FC

再びJ1の舞台へ

最終節で昇格決める

11月21日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 11月21日0:00更新

  • 10月31日0:00更新

  • 10月24日0:00更新

港南区・栄区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年11月22日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook