栄区野七里の戸建住宅団地「上郷ネオポリス」で10月30日、電動車いす「WHILL」(ウィル)13台を使った実証実験が始まった。住民の高齢化に伴う交通の便への不安解消に向けて、活用の可能性を検証する。
実証実験は経済産業省の「電動車いす等安全対策・普及推進事業」のひとつ。65歳以上の住民10人にウィルを個人レンタルし、生活の中で自由に使ってもらうことで行動の変化などを調査するという。またあわせてウィル3台をコンビニとコミュニティ施設が複合した「野七里テラス」に置き、住民が自由に利用できる機会も確保した。
移動手段を模索
実証実験にあわせ、同地区に関して市と「持続可能なまちづくりに関する協定」を結んでいる大和ハウス工業(株)の協力で、7人乗りの電動カートも試験的に運用する。地域内を走行し、乗り降りも自由にすることで新たな移動手段の可能性を模索していくという。
野七里地区は最寄りの港南台駅からバスで約18分の緑豊かな丘陵地に囲まれた住宅地。開発から40年以上が経って住民の高齢化率は50%を超え、3年前の意識調査では交通や買い物の便に対する関心が多く寄せられた。
大和ハウス工業の担当者は「バス停まで来れば駅に行けるが、自宅からバス停、コンビニまでを繋ぐ手段として、外出をたすける役割にも期待したい」と話した。
また上郷ネオポリスまちづくり協議会の吉井信幸座長は「高齢者が増えたから車いすというのではなく、誰でも使えるかっこいい『モビリティ』として利用が広まるといい」と語った。
ウィルの実証期間は11月20日まで(カートは12月23日まで)。
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