大人に代わり日常の家事や家族の世話を行う「ヤングケアラー」の実態把握のため横浜市は昨年、初の調査を実施。このほど結果がまとまった。小学5年生の「5人に1人」が世話をしている家族が「いる」とした一方、ヤングケアラーという言葉を「聞いたことがない」が過半数など、認知度の低さから実態が見えにくい傾向にあることがわかった。
横浜市は市内のヤングケアラーの実態を把握し、適切な支援を行うことなどを目的に、昨年6月から7月にかけて調査を実施。市内の公立学校に通う小学5年生・中学2年生・高校2年生の約7万5000人を対象にアンケートを行った。回答者数は約4万5000人で回答率は約60%。
実態の潜在化 懸念
調査内容は「学校生活関連」「家庭や家族関連」「ヤングケアラーについて」の大きく3つ。世話をしている家族が「いる」と回答した割合は小5が20・3%、中2が13・5%、高2が5・4%。世話をしている相手は、いずれの学年も「きょうだい」が最も多く、世話の頻度は「ほぼ毎日」が最多。ヤングケアラーを自認する子どもの過半数が「きつい」と回答しており、「自分の時間が取れない」「宿題など勉強をする時間がない」などの影響も出ている。また、自認する小5・中2の6割、高2の4割が「悩みを相談したことがない」と答えており、相談の場など子どもを支える環境づくりが求められる。一方、そもそもヤングケアラーという言葉を「聞いたことがない」と答えた割合は小5で68・7%、中2で61・8%、高2で54・2%。いずれの学年も過半数を超えており、認知度の低さも明らかになった。
結果を踏まえ市は、今年度中にヤングケアラーを正しく理解するための大人向けのフォーラムを開催する予定。また、子どもたちにも直接情報が届くように、動画共有サイトYouTubeやTikTokに広告動画を配信することも検討している。市こども青少年局の担当者は「情報発信など、継続した支援に取り組んでいく」と話す。
港南区・栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|
|
|
さかえ横浜会議 トイレを我慢しなくていい登山災害時にも活躍 多様性のある携帯トイレについて(参加者募集 10月11日 あーすぷらざ 18時~) |
<PR>