児童数が減少している南舞岡小学校(戸塚区)の規模適正化に向け検討が続いていた同校と日限山小学校(港南区)の統合について、検討部会が統合を了承したことが分かった。両校を統合した新校は26年4月に現在の日限山小の校舎で開校する見込みだ。
市は「横浜市立小・中学校の通学区域制度及び学校規模に関する基本方針」で11学級以下の小学校を小規模校としているが、現在の南舞岡小の一般学級数は9学級で、小規模校の状態が続いている。そこで、市教委は22年に近隣の日限山小との間で規模適正化に向けた検討を開始。地域住民や両校PTAなどで構成される「『日限山小学校・南舞岡小学校』通学区域と学校規模適正化等検討部会」を設置し、議論を重ねてきた。
同部会が9日に公表した会議録によると、5月29日に開催された「第8回検討部会」において、両校の統合を了承。正式な決定は条例改正などを経てとなるが、市教委によると「事実上の決定」だという。使用校舎は日限山小となるが、両校とも統合の時点で一度閉校し、新校として26年4月に開校を迎える見込み。今後、同部会では新校の名称などが検討される。
教育環境向上が目的
市教委担当者が小規模校の課題と指摘するのが教育環境だ。児童の数が減少すると多様な個性と触れ合う機会が損なわれたり、1学年2クラスの編成ができないことでクラス替えがなく同級生と適切な人間関係を保ちづらくなったりといった問題が生じるという。さらに、教員数も少なくなるため、行事の際に教員の負担が大きくなることなども課題とする。
一部では「小規模校であることにメリットを感じている」という反対意見もあるが、市教委担当者は「統合しても各学年3クラス。大規模校になるわけではない」と話す。さらに、統合前には両校合同で授業を行うなど準備期間を1年程度設けるといい、スムーズな統合を目指す考えだ。
同部会の金子昭部会長は「反対意見もあるが、検討の結果、最終的には『やむを得ない』という結論になった」と「統合」に至った経緯を説明した。
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