市消費生活総合センターと市経済局消費経済課はこのほど、2023年度中に同センターへ寄せられた消費生活相談の傾向をまとめ、発表した。
全体の相談件数は1万5004件と、2022年度から約2パーセントの増加でほぼ横ばい。
しかし、点検商法の相談件数は過去10年の中で最多を更新。それまで最多だった2022年度の395件から約1・6倍に増加し、634件となった。点検商法とは工事業者などが家庭を訪問して正規の点検を装い、不必要、または法外な価格のリフォーム工事などを迫る商法を指す。
この商法は80歳以上からの相談が他の年代に比べて多いのが特徴。2023年度は40歳未満の相談件数が26件なのに対して、80歳以上は258件と約10倍の差がある。市生活総合センターの魚本一司センター長は「在宅率の高い高齢者が狙われやすいのかもしれない」と分析。契約してしまった金額は「10万円以上50万円未満」 が41・9パーセントで最多となり、平均契約金額は119万円となっている。
この集計結果に対して、魚本センター長は「コロナが落ち着いて、悪徳業者が訪問がしやすくなったのでないか」と推測。「周囲の人の見守りが必要。怪しいと思ったら相談してほしい」と話した。同センターは高齢者の利用も多いケアプラと連携し、ケアプラへ消費トラブル関連の相談が寄せられた際には同センターが紹介されるような体制を整えている。
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