イオンフードスタイル港南台店を展開する(株)ダイエーが11月13日、港南区の県営日野団地で同社として全国初の移動販売を始めた。15日には栄区の西ヶ谷団地でも開始し、実店舗へ行くことが困難な住民の支援や交流の場づくりを通じた見守りにつなげたい考え。
移動販売は地域からのニーズを受けた港南区社会福祉協議会が今年4月に同社に打診したのがきっかけ。同社は40年以上、港南台駅前に店を構え、地域に親しまれてきたこともあってこれを快諾し、実現に至ったという。また同店は栄区民の利用者も多いため、栄区社協とも連携を図って両区での移動販売に向けて準備が進められてきた。
両区社協が自治会に希望を募った後、住民ニーズを聞いて販売品目や曜日、時間を決定。港南区内10カ所を週2回、栄区内2カ所を週1回ずつ巡回することとなった。
栄区での移動販売初日となった15日、販売車が音楽を鳴らしながら西ヶ谷団地内を周回して集会場に到着した。商品はすべて店頭販売と同価格で、移動販売の手数料として商品1点につき10円、5点以上は一律50円という仕組みとしている。販売開始とともに住民らが思い思いに買い物を楽しみ、また住民同士でおしゃべりを楽しむ姿も見られ、交流の場ともなっている様子だった。
地元住民によると、近隣にもスーパーもがあるものの、坂の上り下りがあるため、重い物を買って帰るのは高齢者には難しい状況だったという。
上郷西連合町会の黒木さち子会長は「継続していくことが大事。購買が減っていけば移動販売がなくなってしまうこともありえるが、続けることができれば可能性は広がっていく」と話した。
また西ヶ谷団地自治会の佐藤陞会長は「買い物に出てきて住民同士顔を合わせることが、交流やお互い見守りにもなる」と期待を込めた。
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