30周年を迎えた訪問介護「港南たすけあい心」の理事長を務める 宮古 縁さん 野庭町在勤 59歳
人のため”たすけあい”
○…誰もが住みやすい地域をめざして…たすけあいの輪を広げよう―。このスローガンのもと団体は設立から30周年を迎えた。「高齢者がより長く住み慣れた家で暮らせるように」と訪問介護や買い物のサポートを行う。現在41人のヘルパーが在籍。港南区や磯子区エリアの依頼者に寄り添う。「事業継続のために労働環境の整備も」と理事長として、働き方改革にも努める方針だ。
○…ヘルパーになったのは13年前。専業主婦だったが、娘の幼稚園で見たヘルパー資格に関するチラシや、テレビの特集がきっかけ。「人の役に立つ仕事がしたい」と介護業界に飛び込んだ。同年、ヘルパー2級の資格を取得。自身でも「人と関わるのは好きかも…」と語る通り、利用者との会話や細かい観察を必要とされるヘルパーの素養を持ち合わせていたようだ。「無言では意味がない。毎週入るヘルパーだから利用者の心と体の変化に気づけることもある」と控えめながら力を込めた。
○…中学生の時、父ががんになり、闘病生活を支える母と兄の姿を目にした。さらに母が高齢になった際、その生活を支えた義理の姉が介護に疲れて果ててしまったそう。両親が介護を必要とした経験が「家族は大変。ヘルパーが短時間でも入れば安心する。不安を取り除くのも役割」と語る現在に活きている。
○…ヘルパーとして利用者に向き合う一方「人材の若返りも」と組織長としての一面も持つ。昨年は業務効率化のため、書類を電子化。今後については「未経験でも新しい人材の雇用を。そのために事業所が資格取得の支援をする制度を作りたい」と話した。「(仕事は)体が続く限りやりたり利用者の役に立てていたらいいなと思う」と次の10年に向け進む。
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