意見広告・議会報告
多様性で平和を 横浜市会議員 こしいしかつ子
昨年、私はこの特集で、本郷台一帯に昭和13年に建設された第一海軍燃料廠や相武隧道など栄区に残る戦争の記憶に触れました。先の大戦が文献内の歴史ではなく身近な現実であったことを、私達は積極的に心に刻む必要があると考えます。
現代を「戦後」と呼び、戦争を「記憶や記録」とするのは、次なる戦争を私達が経験するまでのことです。今を「戦前」とは呼ばせないために皆様とご一緒に手を尽くすことを誓います。
25年ほど前「平和は前線の後方にすぎない」と読んだことがあります。平和な日常と最前線の距離は、当時より近づき、注意深く社会をみる必要があると考えます。
サイバー戦、情報戦、無人機の投入、経済戦など戦争の形が変わっています。国家の主要なインフラが気付かぬうちに他国によって掌握され身動きが取れなくなる状況や、遅効性の化学物質による健康被害、人を内側から蝕むようなやり方も新しい戦争の形です。
一方、現代社会が効率化と迅速化を極め、一人一人が立ち止まり考える余地が減少し、「思考停止」と揶揄されることもあります。本来、人や生物は多様性と柔軟性で戦争や災害、疫病など様々な厄災を乗り越えてきました。盲信的に単一の道を追従することは避け、多様性を前提とした技術や姿勢をとることが、次の戦争を回避する本質的な切札ではないかと考えます。
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