助産師として市内小中学校の児童生徒を中心に性教育の授業を続ける 高野 しのぶさん 戸塚区舞岡町在住 45歳
性を知り、命の大切さを
○…港南区や戸塚区の小中学校を中心に、児童や生徒だけでなく、教員や保護者向けにも「性教育」の授業を続ける。「性教育=性交渉のことと思う人が多いけど、テーマはもっと広い」。助産師としての経験を生かし、その明るいキャラクターもあって講演は好評を得ている。「身体を知ることは大事なのに、性のことは誰も教えてくれないから」。子どもたちを守りたい--。その思いで学校を巡る。
○…きっかけは助産師として出会った中学3年生の出産。妊娠に気付いた時にはすでに中絶もできない週数。そんな子たちが口にするのは「だって知らなかったんだもん」--。「性被害を含め、『望まない出産』をなくすには、知識が必要。そもそも日本はこれまで性教育が不十分すぎた」。悲劇をひとつでも減らせればと5年前から活動を続けている。
○…栄区出身。港南台高校(当時)に通っていた時に、南部病院で出産に立ち会う経験をした。その時の「かっこよさ」に憧れて、助産師を志した。3児の母でもあり、性教育の授業は子どもたちが通っていた舞岡小・中の校長、養護教諭に相談してスタート。評判とともに少しずつ依頼も広がり、今年度は3月までに50件以上の授業を控える。今年4月に活動を事業化したものの、今なお産婦人科の夜勤でも働きながらの日々だ。
○…子どもたちへの性教育は時に「寝た子を起こすな」などの批判を受けがちだ。それゆえ誰もが納得できるものをと、講演内容は学校ごとにしっかり打ち合わせた上で組み立てている。「私が授業を1度やればいいわけじゃない。やっぱり身近な先生や保護者のかかわりが大切」。一人一人の命は尊いもの--。自分を、友を大切にしてほしいと声を大にする。
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