BARで「クラシックライブ」をスタートする 青山 愛さん 西区平沼在住 67歳
「市民広間」の演奏が原点
○…40年余のキャリアを持つ西区平沼出身の声楽家。「クラシックをより身近に、より楽しめるものに」との信念から、一般的なコンサートだけではなく、2月から新たにBARを会場とした「クラシックライブ」を始める。曲目は「この道」や「椰子の実」などをピアノの伴奏にのせて披露する。
○…「より身近に」という姿勢は、春と秋に市本庁舎のロビーで行われている「市民広間演奏会」が原点だ。初開催の1968年から、その舞台に立ち続ける。当時はまだ国立音楽大学の学生、「なぜ私がという思いでした」と振り返る。「若くて、頭も柔らかかった」と、クラシックの既成概念にとらわれず、誰もが耳を傾けることができるこの環境に親しみを感じたという。「ここで育てられました」と今も現役を貫く。
○…音大卒業後は、イタリア歌曲やオペラを経て、87年からは日本歌曲・童謡・唱歌をレパートリーとして活動。カルチャー教室の講師をはじめ西区の賀詞交換会などでは、毎年市歌を担当している。還暦を機に日本を代表する作曲家、山田耕筰の研究に没頭。耕筰の近くで直接に演奏を伝授された中野俊也さんに教えを請うたという。「同じ曲なのに、表現などのニュアンスがまったく違うんですよ」と目を丸くする。
○…自動車の運転歴も40年余。「山形の演奏会に行く時も、ほとんど自分で運転するのよ」とドライブが大好きという。「身体が楽器」なので、プールに通うなど健康管理には人一倍気を配る。声楽家として結婚後も精力的に活動できたのは夫や娘の理解と協力があってこそ。「家族には感謝しています」
○…100人近い会員を持つ後援会は昨年で設立15周年を迎え、年末には中区のホテルでコンサートを開いた。多数の映画音楽を手がける作曲家の神津善行さんも駆けつけた。「支えてもらっているのよ。歌い続けられる限りは続けたい」と語気に力がこもった。
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