防犯のつどいを主催するNPO法人FBIの理事長を務める 山本 紀男さん 南区在住 77歳
防犯活動で地域に恩返し
○…「童謡に親しみ心豊かな子どもになってもらいたい」。そんな願いを込めて防犯のつどい『つたえたい・こころ』を3月29日に開港記念会館で開く。2部のコンサートは、横浜にゆかりのある楽曲を中心に「次世代につなげていこう」と子どもから大人まで老若男女がたのしめる内容だ。
○…自主防犯組織、FBIを2003年に結成。中区長者町や福富町を中心に清掃活動や防犯カメラの設置など地域の治安向上に汗を流している。団体名は「Father’s patrol as Bouhan Instructor」の略。「インパクトのある名称」とはにかんだ。「以前はごみが散乱し、暴力団の事務所もたくさんあり、違法駐車はあたり前」と当時を振り返る。兄とともに立ち上げた三本コーヒー(株)の本社が長者町にあったことから、防犯活動は「地域への恩返し」と語る。同団体は12年には「内閣総理大臣賞」に輝き、15年には特定非営利活動法人の認証を受けた。
○…出身は足柄上郡の大井町金手。父は首長を務めた地元の名士で、家訓は厳格だった。9人きょうだいの末っ子とあって食事の時は末席。「魚はいつもしっぽでした」と笑った。その大家族のなかで育ち「自分のふんどしで生きていこう」と横浜へ。高校に通いながら4番目の兄とともにコーヒーの製造販売をてがけた。「とにかくがむしゃらに働いた」と事業は拡大し、豆の仕入れに中南米から欧米など世界を駆け回った。三本コーヒーは、北は北海道、南は沖縄まで支店を持つ大手に成長している。
○…第一線を退いたいまは同社の相談役。2人の息子は同社を源流とする横浜観光土産菓子の三陽物産と中部三本コーヒーのトップをそれぞれ務める。経営コンサルタントの顔も持ち、声がかかれば全国を飛び回る。「まずは考えて、そして実行し検証する。その繰り返しです」と熱く語る。そのバイタリティーは尽きることを知らない。
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