2018年度の神奈川県弁護士会会長に就任した 芳野 直子さん 中区在勤 55歳
弱者の立場でひたむきに
○…1600人超の県内すべての弁護士が加入する神奈川県弁護士会。その会長として弁護士をより身近に感じられるよう環境整備に注力したいとする。「些細なことでも早期に相談すれば、大きな問題になる前に解決できるかもしれない。そのためにも弁護士が市民にとって、もっと身近な存在になるべきです」と語気を強めた。
○…弁護士の使命は基本的人権の擁護と社会正義の実現。身近な法律家であるとともに、会としては社会的課題解決のために立法的提言を行うことも大きな役割だ。昨今、一部で熱をおびる改憲論議については「憲法はどのような国でありたいか、国民の決意が示されたもの。まずは憲法を一度読んでもらいたい。そのうえで議論を」と語る。
○…静岡県沼津市で育ち静岡大学で法律を専攻。「なぜこの法律ができたのか」、その背景に興味を持ったという。権力を持ちえない一般の市民を様々な問題から守りたいとの思いから、法律を武器とする弁護士をめざした。25歳で司法試験をパスし、2年間の研修期間を経て中区の法律事務所へ。「横浜は開放的で新しい街。働きやすい」と魅力を語る。弁護士登録はバブル崩壊の年。投資など金融商品被害が多数発覚するなかで、その被害者救済に奔走。その後も美容石鹸によるアレルギー被害など製造物責任や悪徳商法の被害者救済など消費者問題に数多く向き合ってきた。
○…気分転換は愛犬との散歩。「何というか、今を一生懸命生きているんですよね。それがいい」と、そのひたむきな姿は弱者救済に向き合う自身のスタンスと近いのかもしれない。「近年、認知能力が低下する高齢者の被害が本当に多い。何かあれば、ぜひ弁護士会に相談してほしい」と常に立ち位置は弱者の側だ。
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