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本牧 気まぐれ歴史散歩 【17】 根岸の競馬場 スポーツを楽しむ習慣の始まり

公開:2018年10月18日

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戦前の根岸競馬場。馬見所にはたくさんの人(横浜都市発展記念館所蔵)
戦前の根岸競馬場。馬見所にはたくさんの人(横浜都市発展記念館所蔵)

 根岸森林公園は、かつて競馬場だったことはみなさんよくご存知のことと思います。生麦事件をきっかけにこの競馬場も造られたことは、以前このコラムでもご紹介させていただきましたが、では何故、諸外国は「競馬場」を造ることを幕府に要求したのでしょうか?

 横浜は日本における様々なスポーツ発祥の地となっています。居留地の外国人が持ち込んだものですが、彼らには様々なスポーツを行ったり見たりして、楽しむ習慣がありました。競馬もその1つ。諸外国ではスポーツは娯楽の一つであり、社交の場でした。スポーツを通じて自身の健康を保ちながら人とコミュニケーションをとって仲良くなる。日本にも道場などありましたが、娯楽や社交が「目的」ではありませんでした。

 当時の日本には無い考え・習慣でしたが、維新後は明治天皇も根岸の競馬場に13回も行幸しています。これは皇室が諸国の王室と同じように競馬に関わることで日本も近代国家の一員として認めてもらい、不平等条約を改定するための対策の1つだったとも言われています。根岸競馬場で天皇賞のルーツとなるレースも行われていたようです。

 かつて競馬場のそばに住んでいた白寿の方は、女学生時代には競馬場の馬が不動坂をおりた海で体を洗ってもらっていたのをよく見かけたとお話してくださいます。

 次回ももう少し、根岸森林公園の中を散策してみたいと思います。

(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
 

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