神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
中区・西区版 公開:2019年2月21日 エリアトップへ

本牧 気まぐれ歴史散歩 【21】 開港場ならではの貴重な墓石

公開:2019年2月21日

  • LINE
  • hatena
蓮光寺にある洗礼名と戒名が書かれた墓石
蓮光寺にある洗礼名と戒名が書かれた墓石

 横浜が開港場となり多くの外国人が暮らすようになると、教会が建てられていきましたが、維新後も日本人へのキリスト教布教は禁止のままでした。明治6(1873)年までは町に「切支丹禁制」の高札も立っていました。日本で信教の自由が公式に認められたのは明治17(1884)年のことで、いわゆる不平等条約の改正を目指すための一環でした。

 石川町駅からひらがな商店街経由で左折し地蔵坂を登ると、坂を登りきる手前に蓮光寺があります。ここは作家の吉川英治の一族の菩提寺であったことでも知られていますが、ここには開港場ならではの珍しい貴重な墓石が残されていることでも知られています。

 下岡蓮杖は日本初期の写真家として数々の秀作を残していますが、蓮光寺には和風でありながら十字架も描かれている蓮杖の妻・美津の墓石が残されています。ヘボンをはじめ多くの外国人と親交があった蓮杖夫妻ならではのものでしょう。また本堂裏にはフランス語の洗礼名と戒名が記された墓石があります。この家族は宗門改により蓮光寺の檀家でありながら、キリスト教の洗礼を受け教会にも通っていたのかもしれません。開港後もまだ公式には信仰が認められていないキリスト教を信仰しながら、蓮光寺に我が子を埋葬するために開港場に住む人の苦心が感じられる、開港場ならではのとても貴重な墓石です。

 次回は、地蔵坂上の交差点から外国人遊歩道をゆっくりおりていこうと思います。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
 

中区・西区・南区版のコラム最新6

「元の海岸線」

本牧 気まぐれ歴史散歩 80

「元の海岸線」

物流の基盤になるところ

6月27日

横浜とシュウマイと私

連載コーナー40

横浜とシュウマイと私

「ご当地シュウマイ最前線」

6月27日

横浜とシュウマイと私

連載コーナー39

横浜とシュウマイと私

「スポーツ観戦とシュウマイ」

5月30日

『疎開道路』

本牧 気まぐれ歴史散歩 79

『疎開道路』

戦争の記憶

5月23日

私のまちの連合会長

地区連合町内会インタビューvol.6

私のまちの連合会長

第6地区連合町内会会長 守屋孝さん

5月16日

まちの賑わいへ区の魅力をPR

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 5月30日0:00更新

  • 5月2日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

中区・西区・南区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

コラム一覧へ

中区・西区・南区版のコラム一覧へ

バックナンバー最新号:2024年6月27日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook