中区山下町の市立みなと総合高校では今年度から、市内企業が講師となって生徒が新規事業を考える「ミナトマチキャリア育成プロジェクト」を総合学習の一環として実施している。
この試みは同校と、地元サッカー・フットサルクラブのYSCCとの協同プロジェクト。元々YSCCは同校フットサル部と震災復興支援大会を企画したり、職業体験を受け入れたりするなど関わりがあった。
今回は高校生が仕事について考えるきっかけを作り、YSCCが町クラブとして学校と地域企業の橋渡し役となりたいという想いで実施。
YSCCのスポンサー企業などを中心に【1】2020年オリンピックに向けての商品開発(岩井の胡麻油(株))【2】イメージマスコットの企画(山陽印刷(株))【3】お悩み解決アプリ開発((株)未来ボックス)【4】スタジアム集客+商品の宣伝(明治安田生命保険相互会社)【5】横浜ビール、レストランのファンづくり((株)横浜ビール)【6】若年層向けカットケーキ作り(ローズホテル横浜)の6テーマを設定。3年生約240人が5〜6人のグループに分かれ、9月の発表に向けて提案内容を考えていく。内容によっては企業が提案を採用するとしており、高校生にとってもやりがいあるプロジェクトだ。
6月25日には、発表前最後となる企業と生徒の話し合いの場を設け、アイデア出しや考え方のヒントなどを企業担当者が説明した。
岩井の胡麻油の新商品として「ゴマ団子」を提案するグループの女子生徒は商品の保存方法について担当者から指摘され「全く考えていなかった。『誰かがやってくれる』でなく、細部まで徹底的に考え抜くことが商品開発には必要と感じました」と感想を話した。
同校の篠原圭三教諭は「普段の総合学習は調べ物で終わることが多く、こうしたアウトプットの機会を求めていた。近隣企業で生徒の成長を見てもらえるのは有難い」と企画意義を認識する。
企画発案者で大手企業の人事部勤務経験のあるYSCCの寺師尚ノ介さんは「一つのプロジェクトに向かう過程は学校生活も企業も同じ。生徒にも仕事をあまり重々しく捉えないでもらえたら」と話す。今回の結果を踏まえたうえで、他校での実施などを検討していくという。
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