本牧 気まぐれ歴史散歩 【27】 妙香寺 今年は日本吹奏楽発祥150年
本牧山妙香寺。ここが日本吹奏楽発祥の地であることは皆さんご存知のことと思います。現在の吹奏楽は、14世紀のオスマン帝国の軍楽隊の影響を受け、軍の士気高揚や進軍・連絡の合図として西洋の国々が軍楽隊を結成したのが始まりとも言われています。日本でも同様の目的で武将たちが法螺貝や太鼓などを用いていましたが、嘉永7(1854)年ペリー提督が横浜に上陸するときに行われた米艦隊軍楽隊の演奏は、当時の日本人には馴染みがない音とテンポの曲でしたので、人々に驚きと感動を与えたようです。
明治2(1869)年に薩摩藩軍楽伝習生30名が妙香寺で寄宿し、イギリス軍楽長フェントンから西洋軍楽を学んだことで、日本での吹奏楽の歴史は始まりました。その後、妙香寺で学んだ伝習生が日本各地で指導者として活躍したことで、吹奏楽は日本各地に広まりました。
伝習生が初めて練習に使った楽器はロンドンから輸入されたものでしたが、明治3(1870)年に「サツマ・バンド」と呼ばれた伝習生の演奏会では、既に日本製の楽器も使われていたようです。金・銀・銅細工や鋳金・鍛金などで匠の技術を持つ日本の職人が西洋楽器の製造に転じたのではないかとも考えられています。
毎年10月に妙香寺で開催されている吹奏楽コンサートも、今年は日本吹奏楽発祥150周年記念として開催されるようです。次回はここから山手駅方面に向おうと思います。
(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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地元奉仕団体 新会長の横顔 Vol.710月17日 |