中区大和町の放課後デイサービス「キッズコネクション」に通う学生らがこのほど、東京大学公共政策大学院などが主催するデータを活用し地域課題を解決するコンテスト「チャレンジ‼オープンガバナンス2019」で全国第2位に輝いた。
同コンテストは、市民や学生と自治体職員が共同で参加。行政などが公開しているデータを活用しながら、それぞれ抱える地域課題に対して、解決に向けたアイデアを競うものだ。横浜市は「シビックプライドの醸成」をテーマとした地域課題を掲げ、愛着や誇りを持つ地域をどのように育んでいくのかについてアイデアを募集した。
横浜市の課題に対してアイデアを出したのは、地域と繋がりながら子どもたちの自発的な取り組みを応援する「キッズコネクション」を拠点に活動する学生たち。昨年7月に「横浜ホイールマップ」チームを結成し、職員の中山圭太郎さん=人物風土記で紹介=がアドバイザーとなり、脳性麻痺で外出時は車いすを利用する太田啓介代表をはじめ障害がある小学生から高校生までの5人がバリアフリーではない施設の「突破方法」を調査しコンテストに挑んだ。
同チームは市内を中心に車いすで行ける場所を調査し地図やパンフレットを制作するプロジェクトとしてスタート。太田代表と同じく車いすで外出する双子の兄の雄介さんらとバリアフリー化された店舗データを集めていた。
ラーメン店に焦点
調査を進めるなかで太田代表は「障害がある人は、バリアフリーかどうかで行く場所を決めていないか」と疑問に思い「行きたい場所に行けるところのデータを集めた方が必要な情報になるのでは」と調査内容を変更。太田代表が好きなラーメン店に行くための調査へと切り替えた。
ラーメン店は、通路が狭かったり、テーブルや椅子が固定されるなど車いすでは入るのが困難な場所が多い。バリアが多いことが予想されるなか、介助ができる大人と一緒に数店舗調査を行った。結果、テーブルまで車いすのまま進む直進型と椅子が固定されている場合に車いすから椅子に移る鞍馬型の突破法を類型化。その様子を動画で撮影しデータ化した。
コンテストには全国からまちづくりの専門家や大学生など全56チームが応募、書類選考で12チームが最終選考へ。新型肺炎の影響で別団体が主催しオンライン上でのプレゼンとなったが、調査の視点などが評価され全国第2位に。太田代表は「今度は調査対象を広げ、多くの人のこころのバリアフリーを実現したい」と意気込みを話した。横浜市で同コンテストを担当する政策局共創推進課の関口昌幸さんは「車いすを利用している若者がラーメンを食べに行ける街は市民の誰もが生き生きと暮らせる街。彼らの取り組みを応援していきたい」と話した。
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