本牧 気まぐれ歴史散歩 番外編(1) 横浜開港と感染症との闘い 横浜疫病史から
幕末に開港した横浜の歴史は、感染症との闘いの歴史でもありました。開港場となった横浜は、急速な都市化による衛生環境の悪化や、同じく急速な国際化による感染症の水際対策の遅れで、コレラやペスト・チフスなどの感染拡大に見舞われました。
明治12(1879)年に国内で10万人以上の命を奪ったコレラ感染拡大のときに出版された『コレラ預防訓(ふせぎかた)』には、次のような呼び掛けがされていました。
「此流行時にはコレラ病者ある地方へは成丈(なるたけ)行ず、…(衛生面に気をつけ)…、夜ふかしをせず、房事(いろごと)を節減し、酒宴などをやめ、ひとごみの場所へ立寄らず、何事も皆流行病なくなりて後の事として用心するをよしとす。お互い養生をよくして此流行病をまぬかれたきものなり。」(横浜疫病史から引用)
約120年前に陸軍医によって記された書籍ですが、横浜開港当時も、科学が当時より遥かに進歩した現在においても、感染症との闘い方の基本は変わらないようです。
現在の私たちにとっては初めてとなるしんどい闘いですが、横浜開港後の161年の歴史の中でも、同じ方法で何度も菌やウイルスと闘い、乗り越えてきました。
私たちも、お互い物理的な距離は保ちながらも、お互い思いやりの気持ちをもって、支えあいながら、日常を取り戻すために頑張りましょう。(文・横浜市八聖殿館長 相澤竜次)
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