市政報告 IR停止、コロナに集中を 横浜市会議員 おぎわら隆宏
交付金が不足
5月12日から4日間、横浜市会では臨時会が開かれ、約5744億円の補正予算を可決しました。その内、市の支出は財政調整基金からの10億円で、残りは国費及び国の臨時交付金によって賄われます。この交付金を市は85億6700万円を見込み計上しましたが、実際には56億4100万円で約30億円の不足。国の第二次補正予算において不足分が計上されない場合、今年度の事業の見直しを行い、経費を捻出する必要があります。
多くの問題点
国の新型コロナ対策では、10万円の給付金は市も郵送作業に時間を要し、マイナンバーによる申請にはシステム上の混乱も。認可外保育施設に対しては保育料の補償がされておらず、施設や保護者にとって死活問題です。家賃補助の住居確保給付金も要件緩和がほとんどなく、特に一人暮らしの学生が困窮している場合等の給付が難しく早急に対応が望まれます。
カジノ・サンズ撤退
5月13日にラスベガスサンズが日本のカジノIR参入から撤退すると表明。サンズ社に限らず、世界のカジノIR事業者は新型コロナの影響から業績が急激に悪化。日本におけるIRは回収しなければならない初期投資が1兆円規模と巨額です。世界経済の様相は一変しており、市が説明してきた年1200億円との市増収が本当に得られるのかは大変疑問です。
事実に反する答弁
IR誘致について、これまで林市長は「国のスケジュールに合わせるため、本市も止められない」と説明。4月13日、衆院の委員会において赤羽国交大臣より、IR申請作業に関して「横浜市に確認したところ、粛々と事業を進めており(コロナ対策による)支障はないと聞いている」との答弁がありました。これを受け5月14日、市会建築・都市整備・道路委員会において、私は平原副市長に対し「国交省からそのように聞かれた事実、答えた事実はあるか」と確認したところ「聞かれたことはなく、答えたこともない」と答弁。しかし、22日に衆院で再び赤羽大臣は横浜市に確かに確認した事実を答弁。IR所管の平原副市長答弁は事実に反していると言わざるを得ず、市会において改めて確認する必要があります。
市民の暮らしが外出自粛等の苦しい状況にあり、交付金も不足し、カジノIR停止を訴える市民の声があるにも関わらず、国に「支障はない」と答える市の姿勢は、市民に寄り添うものとは到底言えません。カジノIRなど不要不急の事業は停止し、その費用と力をコロナ対策に集中して充てるべきと考えます。
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