カジノを含むIR誘致に対し、反対の立場から林文子市長のリコール(解職請求)を求める市民グループや誘致の是非を問う住民投票実施を目指す団体が署名活動の準備を進めている。
「一人から始めるリコール運動」(廣越由美子代表)は、2017年の横浜市長選時にIR誘致を「白紙」とした林市長が19年8月に誘致を表明したことを受けて活動を開始。「市長は『カジノ反対』という市民の声をないがしろにし、推進派の声しか聞いていない。カジノを止めるにはリコール以外ない」と主張する。政党や組織に頼らず、個人の活動を積み重ねることを重視する。
解職の是非を問う投票を行うために必要な署名数は地方自治法によって定められており、横浜市の場合は約49万人分。署名を集める「受任者」を募ろうと、メンバーが連日、数カ所の駅前で呼び掛ける。目標を5万人とし、8月中旬時点で約4万1500人に達した。
コロナ禍で署名開始は7月から10月に延期。廣越代表は「林市長はコロナへの対応では姿が見えないのに、施設オープンの式典などには顔を出しており、市民を守る市長としての資質はない」と批判。「法的にカジノを止められるのはリコールだけ。市民の怒りをリコールにつなげたい」と署名開始の準備を急ぐ。
誘致の判断は住民が決めるべきだと訴えるのは、約30団体の共闘組織「カジノの是非を決める横浜市民の会」。「カジノは依存症を生むギャンブルで、負ける人がいないと成り立たないビジネス」と誘致に反対。市民が意思を示せる住民投票の必要性を訴える。
立憲民主党や共産党などの政党も会に賛同しており、国会議員や地方議員らが住民投票を行うための条例制定へ向けた署名集めを9月に開始。必要数の約6万2千人分の署名を集める。ただ、署名が集まっても、条例案が市会で可決されないと住民投票は実施されない。実施されても投票結果に法的拘束力はないが、市民の意思を投票で示すことに重きを置く。
リコール、住民投票ともに署名開始から2カ月間で集める必要がある。一部時期が重なるため、リコール側は住民投票側に時期の変更を求めたが、合意しなかった。
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地元奉仕団体 新会長の横顔 Vol.710月17日 |