中区役所で9月4日、防災週間に合わせ、ラジオの電波で情報発信を行う緊急割り込み放送の訓練が行われた。中区を中心に放送するコミュニティラジオ局・マリンFM(86・1MHz)の協力により実現。当日は、中区職員の村田大樹さんが大雨や台風の備えについて割り込み放送により呼びかけた。
中区役所はマリンFMを放送する(株)横浜マリンエフエム(笹原延介代表取締役)=中区本牧町=と災害時放送協定を同FMの開局に合わせて昨年8月26日に締結。災害発生時の中区内の被害状況や支援物資配布情報などを、ラジオを通して区民へ発信できる体制を築いた。
協定を結んでから1カ月も経たない9月上旬には中区内でも大きな被害をもたらした台風15号が接近。その時点では、まだ割り込み放送用の設備が区役所に導入されていなかったため、電話とラジオを繋ぎ被害状況や避難所の情報を発信するなど、密に連絡を取り合いながら対応した。
即時に細かな情報を
割り込み放送用の機器の調達や同社との調整期間を経て今年7月、区役所内に新たな機器を導入。スイッチを押して3秒間待つと現在放送中の番組に割り込み、緊急を要する情報を伝達することができる。中区の危機管理・地域防災担当の小林和弘係長は「災害時には、区内の被害状況や避難所の情報などあらゆる情報を集めている」と話し「割り込み放送の実現により区民の皆様へリアルタイムにきめ細かな情報を届けることができる」と説明する。
今回の緊急割り込み放送の訓練は7月以来2回目。午後2時半から中区の職員・村田さんが「緊急割り込み放送のテスト」と伝えた上で、飲料や非常食など準備が必要なものの案内や倒木を防ぐために庭木を剪定しておくことなど大雨や台風への備えについて、約320文字の原稿を1分ほどで読み上げた。
今後は月1回程度同社と連携しながら訓練を行っていく予定だ。笹原代表は「割り込み放送機器を導入したことで、災害時に必要な情報が迅速に発信できるようになった。これからも中区役所と連携し、地域に役立つ情報を発信していきたい」と述べた。
各地域から情報収集も
同日には中区で、横浜市アマチュア無線非常通信協力会中区支部(鍋倉正文支部長)による情報伝達訓練も行われた。同会は災害時に行政からの要請を受け、各地域と区役所を無線でつなぎ、被災地と行政の情報共有を担う。中区を中心に7カ所と通信した。
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