長時間労働をはじめとした労働環境に声をあげた引越会社の従業員を追ったドキュメンタリー映画『アリ地獄天国』(98分)が、横浜シネマリン=中区長者町6の95=で再上映されている。12月4日まで。
親友の自死、胸に
メガホンを取ったのは映像グループ、ローポジション=中区長者町4=に所属する土屋トカチさん(49)=横浜市在住。土屋さんは仕事で悩む親友の自死を防げなかった後悔を胸に、今回、労働争議を取り上げた。
同作品は今年4月に公開されたが、新型コロナウイルスの影響で映画館が休館に。このほど、再上映が決まった。
この作品は、ある引越会社の営業職の社員(当時34歳)が、長時間労働を強いられ事故や破損を起こせば会社への弁済で借金漬けになるという会社の方針に異議を唱え、個人加盟の労働組合に加入。するとシュレッダー係へ異動、また懲戒解雇(のちに労働組合の支援で復職)に追い込まれながらも、「まともな会社になってほしい」と闘い続ける主人公の姿に3年にわたり密着したもの。
土屋さんは、2015年9月に同作品の主人公と自身が主宰するWeb番組を介して知り合った。以前から労働争議の映画を撮りたいと考えていたこともあり「理不尽な現状と向き合い、会社を変えようとする人に焦点を当てたかった」と映画化を決め、取材先の会社から訴えられつつも完成させた。
国内外から高評価
同映画は、19年の第16回山形国際ドキュメンタリー映画祭で上映。同年、貧困ジャーナリズム賞を受賞。
今年には第20回ニッポン・コネクション 第1回ニッポン・オンライン賞、第2回ピッツバーグ大学 日本ドキュメンタリー映画賞グランプリ、門真国際映画祭2020 ドキュメンタリー部門 優秀作品賞などを受賞しており、国内外から高く評価されている。
組合の役割、伝える
前作『フツーの仕事がしたい』(08年)においても国際映画祭でドキュメンタリー賞を受賞しており、いわゆる労働映画を手掛ける監督として知られる土屋さん。今回、11年ぶりの長編作品となったが、映画化の理由の一つとして、「労働組合の役割をしっかり伝える映像作品をつくりたかった」と思いを語る。また、「自分で職場を変えていくことができるということを知ってもらいたい」と話していた。
横浜シネマリンでの上映は、11月27日までが午前10時〜11時45分、28日から12月4日までは午後6時50分〜8時35分。料金は一般1800円。
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